川瀬敏郎 花鏡−万能を一心につなぐ

material|paper
publisher|新潮社青花の会
specification|
2025年10月25日刊
A4判 上製本 カラー184頁
川瀬敏郎著
佐々木英基撮影

contents|
日本の花の歴史を単身でうけとめ、更新させた稀代の花人の「もうひとつの」集大成。長年つづける教場で、見巧者のまえでいけつづけた「ハレ」の花は、場や媒体という制約なしに「観客」とむきあった記録であり、世阿弥の伝書『花鏡』を書名としたゆえんでもあります。ここ15年ほどの花約140点をオールカラーで収録、全文英訳つき。

〈ハレは宗教的な聖性とともに、万人衆生(他者)を済度する大義で成り立っており、そのため過剰な装飾性や俗性をも抱えています。『花鏡』はハレ本来の有様を表した作品ですが、現実の歴史的な場に奉った『花をたてる』や『工芸青花』で発表してきた作品は、装飾性や過剰さ、俗性を削ぎ落とし、始原の「花」と対峙することで、唯一無二の世界を表出した「私=一」の作品です〉(川瀬敏郎「後記」より)



目次|
一 万世を寿ぐ
二 神を真似ぶ
三 王朝のみやび
四 緑滴る
五 隠士文人の境涯
六 草木の風興
七 わび
八 素のかたち
九 山の神



本書より|
『花鏡』は、私が三十数年にわたり、教場に在籍する方々に向けて、日本の「花」の真髄、精華を伝えるためにいけてきた作品を集大成したものです。(略)神人和楽する太古の「まつり」、豊穣を祈る神事など、「花」の祖型をかたちづくってきた「ハレ」の花を柱とし、
そこから枝分かれしていった「数寄の美」など、日本の「いける花」の伝統の本質を見つめ直すことに主眼を置いています。(川瀬敏郎「後記」より)



『花鏡』という書名は、能の大成者世阿弥の伝書に拠ります。二十代半ば、フランス留学から戻った私は、花道史以前、いける花の根源にある宗教、思想を合わせもつ「花」の美を極めることが
己れの花の道を進めていくこと、と決心していました。そしてその「依代」と仰いだのが能、世阿弥の花伝書でした。以来「万能を一心につなぐ」という世阿弥の言葉を胸に邁進してきました。(同)

花に生き、花に生かされた七〇有余年は、ほんとうにあっという間でした。花に果てはなく、まだ道半ばですが、「老後の初心」を胸に、道なき道を歩んでまいります。(同)

販売価格 22,000円(税2,000円)
型番 B_ks